【本】600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス
600万人の女性に支持される 「クックパッド」というビジネス (角川SSC新書)
- 作者: 上坂徹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: Kindle版
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2009年の本なので少し古いですが、とても面白く読めました。
1997年の創業から、佐野社長がどのような思いでサービスを作ってきたのかがよくわかりました。
料理が楽しくなることをやる。それ以外はやらない
何を決めるにも、この考えを貫いているそうです。載せる広告にもこの視点から外れる広告は載せないなど、徹底的にこだわっているようです。
心からの笑顔を増やすために事業をしようと決めた
「ありとあらゆる欲しいもの、手に入れたいものを空想の中で手に入れた結果、残ったもののは苦笑いだった。やりたいことをやり、好きなものを手に入れても、ちっとも幸せにはなれない。経済的な豊かさでは手に入れられない「笑顔」をたくさん生み出せたなら、死ぬときにいい人生だった、と思えるかもしれない。」
優れたドアノブは押せばいいか引けばいいかがすぐにわかる
説明が必要なページはレベルが低い。「安易にユーザーに行為を求めたり、説明やマニュアルを読んでください、FAQをご参照ください、みたいなことが大嫌いなんです。優れたものは無言語なんです。」
テクノロジーは道具。重要なのは、それで何をするか
Whyの部分が大事。「クックパッドでは、料理を楽しくする、という意味においてのみ、技術はある。何かを解決したい。何かを実現させたい。誰かの役に立ちたい。その問題意識を解決させるために、テクノロジーがある。テクノロジーが使命感を実現する。そういう順番が必要なのだ。」
モノ作り三原則。「無限実行」「必ず値段をつける」「無言語化」
「リニューアルは事前に公表しない。こちらの都合であるため。期限がきまるとクオリティよりもスケジュールを優先するような事態も起こりかねないため内部体制としても重荷となる。」
「タダじゃないと使わないようなサービスは、タダでもつかわない。だから値段を設定して開発をしよう。」
「日本の製品は説明が多い。日本語で説明できる、という感覚が作り手側に強いからかもしれません。例えば、多民族国家のアメリカでは言葉も生活習慣もバラバラ。だから、直感的にわかるようなモノを作ろうとする。グローバルで戦おうとするのなら、この視点はとても大事になると思います。」
議論をして仮説検証や試行錯誤を繰り返す
「こうすればいい、なんてものはないと思っているんです。試行錯誤の中で仮説を立てて検証し、テクノロジーを学んで、というプロセスを日々繰り返すしかない。エンジニアも同じ。すでに出来上がったプログラマーやエンジニアが存在するのではなく、議論をたくさんして、仮説検証や試行錯誤を繰り返す過程で、優秀なエンジニアは作り出されていく。でも、実はその過程こそ、エンジニアにとっては、とんでもなく面白いモノなんですけどね。」
実は消費者は買いたい
実は消費者は買いたいんです。買う目的や動機を探しているんです。そこにポン、とぴったりの理由を見つけてあげる。プッシュしてあげる。それはウィンウィンを生み出すんです。
オフィスにこだわる
「家よりオフィスのほうがいい、くらいを理想にしたかったんです。毎日のことだし慣れてしまうわけですが、意外に「嫌だな」「違うな」という無意識のストレスが、人を追いつめると思うんです。そのストレスを少しでも排除したかった。」
クックパッドの会議
社員全員の会議は週に一度。ここでは、各部門のマネージャーが一人三分でプレゼンテーションする。一週間の目標、ゴールの確認、成果、今週の課題の四つを共有する。その後、社員と質疑応答。全社員の顔を見て、情報を共有するという。「会社の価値観、プライオリティを共有することが、正しいアプトプットを生むと思うんです。それを全員でできる組織にすることがものすごく大事。目指しているのは、自立、分散、協調です。個々が自立して、それぞれが明確な役割を持って協調する。サッカーの強いチームがそうでしょう。」
モチベーションという言葉が大嫌い
「それは本来、自分で持つべきなんです。大事なことは役割。個人がやりたいことと、得意なことと、給料が上がること。その三つが重なる場所に自分をポジショニングできるかどうか。そのためには、会社と個人が真剣にやりとりして、役割を調整しないといけない。やる気がでないのは、それができていないか、本人に問題があるか、です。」
グッドはやらない。ベストだけをやる。
「料理がおいしくなって、ナンバーワンが目指せて、儲かることだけをやる。こんな風に僕が強調するのも、それができなくて、本当にたくさんの失敗をしてきたからです。そう宣言するまでに、7年くらいかかっているんですから(笑)。だから、失敗や撤退をできるだけ減らそうとしているだけです。実際、中途半端なことはやっぱりダメなんですよ。なんでもやろうとすれば、時間がかかる。やれることは限られている。だから、そのくらい宣言するくらいがいいんです。」
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最近は技術に関することでも有名なクックパッドですが、本書では創業者の佐野社長の強い思いやこだわりがとても伝わってきました。創業から16年、本には書かれていない数多くのことがあったと思いますが、社長のサービスへの徹底したこだわりやビジョンが明確であることと、それが決してぶれていない印象をうけました。そしてそのビジョンへ向けての日々の絶え間ない努力がいまのクックパッドを作っているのだなと思いました。
サービスを通して「笑顔」を増やす。
というキーワードが自分にはぐさっと刺さりました。
600万人の女性に支持される 「クックパッド」というビジネス (角川SSC新書)
- 作者: 上坂徹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
- 発売日: 2012/09/07
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